Y軸倍率を下げたら解消した実例

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レーザーカットで「たまにくっつく」現象に悩んでいませんか?
レーザーカットでゲート処理を行っていると、
- カット自体は正常に完了している
- それでも製品とカットしたはずのゲートが、たまにくっつく
という現象が起きることがあります。
今回は、
レーザー加工のY軸倍率を変更し、加工面積を狭くすることで解消した事例を紹介します。
レーザーカット後に製品とゲートがくっつく不良の内容
発生していたのは、以下のような状態です。
- 連続でレーザーカットを行っている
- 一回の加工で複数箇所のゲートを処理
- くっつくのは、毎回ではなく、決まった1箇所のみ
- レーザー加工そのものは正常に完了している
加工不足や未加工といった、
分かりやすい異常ではありませんでした。
工程上の問題点|次工程で機械停止につながる
この工程では、
- レーザー加工完了後
- 製品:治具に残り次工程へ
- ランナー:落下して粉砕処理
という流れになっています。
しかし、製品とゲートがくっついたままだと、
- ランナーが製品と一緒に次工程へ流れる
- 次工程で異常検知
- 不良扱いとなり機械停止
という、工程停止に直結する不良になります。
レーザー加工は正常、それでもくっつく
重要なのは、
- レーザーは確実に照射されている
- カットプログラムにも異常はない
- 切れていないようには見えない
という点です。
そのため、
出力不足
速度が速すぎる
といった方向ではなく、
「加工のさせ方」そのものを見直す必要があると判断しました。
対策|レーザー加工のY軸倍率を下げる
今回変更したのは、
レーザーの出力や速度ではありません。
行った調整
- レーザー加工のY軸倍率を下げる
- レーザーが当たる加工面積を狭くする
つまり、
👉 溶かす範囲を必要最小限にする調整です。
結果|レーザーカットでくっつく不良が解消
Y軸倍率を変更した結果、
- 製品とゲートがくっつく現象は発生しなくなった
- 連続加工でも安定
- 次工程での機械停止も解消
しました。
加工自体は弱くしていません。
「加工面積を狭くしただけ」で改善しています。
なぜ加工面積を狭くすると安定したのか
レーザーカットでは、
- 加工面積が広い
→ 溶融する樹脂の量が増える
→ カット後、わずかな接触で再付着しやすくなる
可能性があります。
今回のように、
- 切れているように見える
- でも完全に分離していない
という現象は、
加工不足ではなく、加工面積が広すぎることが原因だったと考えられます。
まとめ|レーザー加工は「狭く当てる」が正解な場合もある
今回の事例から分かったことは、
- レーザーカットでくっつく不良は
出力不足が原因とは限らない - 加工面積を狭くすることで安定するケースがある
- 「たまに起きる」「特定箇所だけ」不良は
加工のさせ過ぎを疑う価値がある
という点です。
レーザーカットで
製品とゲートがくっつく現象に悩んでいる場合、
Y軸倍率を下げて加工面積を見直すことは、
有効な対策の一つになると思います。